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照明用白色LEDの量産において色度管理基準「マクアダム楕円3-STEP」を実現-従来比 約1/9の色度範囲での量産が可能に-

更新日:2010.03.02

[ 製品情報 ]

 シチズン電子株式会社(本社:山梨県富士吉田市、社長:野口 克彦)は、色度のばらつき低減が課題であった照明用白色LEDにおいて、従来比(ANSI C78.377規格*1)約1/9の色度管理基準である「マクアダム楕円3-STEP」*2での量産を可能としました。

 液晶テレビのバックライト、一般照明用などで注目を浴びている白色LEDですが、中でも一般照明用白色LEDは色度の厳格な管理が求められています。LEDは同一ロットで製造された製品でも色度にばらつきがあるため、通常、出荷前に要求された仕様に応じて、色度の細かい選別が必要となります。

 また、白色LEDの色度は、発光素子、蛍光体、封止樹脂など、製品を構成する複数の要素の掛け合わせで決まるため、その制御には複雑なプロセス管理が必要になります。当社は、1983年、世界初の表面実装タイプのチップLEDを開発し、以来LEDパッケージのトップメーカーとして多彩な製品を生み出してきました。そして、これまで培った各種の基礎研究と精密加工技術、製造技術の革新により、特定の色度座標に対する偏差を管理して精密に「作り込む」ことで、従来比約1/9に狭域化された色度管理基準である「マクアダム楕円3-STEP」での量産が可能になりました。

 これにより、出荷前の選別を不要とし製造工程を効率化することで、色度ばらつきをほとんど感じることのない白色LEDを安定的に製造・供給することが可能になります。出荷先では、LEDの発光色を高い精度で使い分けることが可能となり、高品質な一般照明器具の製品作りに貢献できると確信しております。当社では、業界に先駆けて「マクアダム楕円3-STEP」による色度管理を、量産レベルで開始します。

 

従来の「選別」による狭域化の例と新規の「作り込み」による狭域化の例


 現在、一般照明におけるLED化は急速に進んでいます。ともするとLEDの高い発光効率に着目した省エネルギー性に関心が集まりがちですが、発光効率の向上に加え、色度ばらつきのない高品質の製品を安定供給することは、大変重要だと考えています。今後もシチズン電子は、“CITIZEN”の伝統である「精密なモノづくり技術」を活用し、一般照明用光源として高品質なLED製品の開発を進めてまいります。
*1 ANSI C78.377規格とは
  アメリカ規格協会が定めたLED照明製品に関する色度範囲の規格
*2 マクアダム楕円とは
  David Lewis MacAdam が視覚の等色実験から導き出したもので、特定の中心色に対する識別変動の標準偏差をxy色度図に表したものです。“マクアダム楕円”で示す標準偏差はそのまま視覚が識別する色差を示しているわけではなく、MacAdam は別の実験により、その識別閾(しきい)が標準偏差の約3倍(3-STEP)であると見出しました。
[参考文献] 大田 登:色彩工学 第2版, 東京電機大学出版局
 

「マクアダム楕円3-STEP”対応のLEDパッケージおよび色温度」

 ・CL-L103 シリーズ:4000K, 3500K, 3000K, 2700K
 ・CL-L251 シリーズ:4000K, 3500K, 3000K, 2700K
 ・CL-L233 シリーズ:4000K, 3500K, 3000K, 2700K

サンプル出荷は4月より開始し、量産は6月ごろを予定しております。また、対応LEDパッケージおよび色温度は順次拡充の予定です。

なお、3月9日(火)より、東京ビックサイトにて開催の”LED Next Stage 2010”において、本製品のデモンストレーションをご覧いただけます。
 

報道関係の方のお問い合わせ先


シチズンホールディングス株式会社
IR広報室 大舘・古川
TEL:042-466-1232(直)
シチズン電子株式会社
企画部広報グループ 栗本
TEL:0555-22-9901(直)
 

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