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新発想「ハート型指向性液晶用LEDバックライトユニット」の開発

更新日:2006.04.12

[ 製品情報 ]

電子部品メーカーであるシチズン電子株式会社(山梨県富士吉田市 資本金19億8,855万円 枡澤 敬社長)では、左右別々に光の指向性を有する新発想の「ハート型指向性液晶用LEDバックライトユニット」を開発しました。

近年、液晶ディスプレイは、携帯電話やデジタルカメラ、パソコン、薄型テレビなど、小型から大型まで、さまざま用途に使用され、その成長には著しいものがあります。これら液晶ディスプレイには、液晶を背後から照らすバックライトが不可欠ですが、その代表的なものには、LEDランプを使うものと冷陰極管(CCFL)を使うものとの2種類があります。それぞれの用途については、携帯電話のように小型・薄型という特徴を必要としているものにはLED光源が使われることが多く、中型以上の比較的大きな面積を必要とするものには、冷陰極管が使われることが多くなっています。

しかし、環境への配慮について考えた場合、冷陰極管には人体に有害な水銀が含まれますが、LEDランプには含まれまず、また、今回使用したLEDランプは鉛フリーにも対応しており、RoHS規制などの環境規制に対応できる、環境配慮型製品となっています。

このように有害物質を含まないうえ、消費電力の面においても冷陰極管を凌駕するレベルに達しており、さらには冷陰極管に比べて寿命の長いLEDバックライトは、液晶ディスプレイの基幹部品として、ますます重要度が増しているデバイスとなっています。

当社は、以前から携帯電話用のバックライトのトップメーカーとして、数多くの製品を国内外の携帯電話メーカー向けに投入してきました。今回、開発したバックライトは、チップLEDランプのトップメーカーでもあるシチズン電子が、本製品向けに新たに開発した超高輝度白色LEDランプ「CL-410」の採用と独自の光学設計技術と高度な精密金型技術、射出成形技術を用いて製造した超薄型・高効率導光板の開発により実現した製品です。
バックライトに要求される特性は、高輝度、高均一性など、主に画質向上に繋がるものですが、当社ではそれらの特性を確保するために導光板、光学シート類には、独自の新構造及び新技術を導入しています。また、TV、カーナビ等の分野においては、左右方向からの画面視認性の向上が大きな課題なっています。本製品は、その課題達成のために左右方向に対する光の指向性を広げ、左右方向からの画面の視認性向上に大きく貢献できる製品となっています。

主な特徴は以下のとおりです。
  • 従来のカラー液晶用バックライトの指向特性は、一般的に正面方向(0°)に輝度ピークを単一に持つものとなっています。この場合、モニターの画面の明るさは正面(0°)が一番明るく、左右水平方向(左右90°方向)に行くに従い、その明るさは低下し、それにより斜め方向の画面視認性も低下します。本開発品は、左右斜め双方向に輝度ピークを持つ双指向特性を実現しております。
  • 指向特性は、左右双方向の輝度ピークを片側0°~45°の範囲で制御可能です。
  • 同一電力における本開発品の左右双方向のピーク輝度は、従来品の正面ピーク輝度と同等です。

今回開発した製品は、LEDランプを21灯使用し7インチ型で、輝度ピークが左右45°の片面発光バックライトユニットとなっています。これらの各仕様はすべてカスタム対応となっています。従いまして、サンプル出荷等につきましては、ご相談の上、対応することになります。
今回の製品は、2006年4月19日(開催期間:2006年4月19日(水)~21日(金))から東京ビックサイトで開催される「第16回 ファインテック・ジャパン2006」で展示予定です。
なお、本製品は、基礎的な技術開発はすでに完了しており、本年中には、量産への対応が可能と考えています。

詳しい諸特性は、PDFをご覧ください。
 

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シチズン電子株式会社
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東京オフィス マーケティング第一課 市村
Ref CE-P137 04/06